建設業を営む上で「建設業許可」は非常に重要です。500万円以上の工事を請け負う場合には許可が必要となり、無許可での営業は建設業法違反となります。しかし、申請手続きは複雑であり、多くの事業者が行政書士に依頼するケースが多いです。
本記事では、行政書士が実務で扱う「建設業許可」について、基礎知識から具体的な申請手順、注意点まで詳しく解説します。
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説1.建設業許可とは?
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説1-1. 建設業許可の必要性

建設業法により、一定規模以上の工事を請け負う事業者は建設業許可を取得しなければなりません。具体的には、以下の場合に許可が必要です。
・1件の工事請負額が500万円以上
・建築一式工事(木造住宅以外では1,500万円以上、木造住宅では延べ床面積が150平㎡以上)
なお、建設業の許可を取得することで、自社の信頼性が向上し、公共工事や大手企業からの受注の機会も広がります。
一方、以下の場合は建設業許可が不要です。
・1件の請負金額が500万円未満
(建築一式工事の場合は1500万円未満)の工事
・自らが使用する建物を自ら建築する工事
・不動産業者が建売住宅を自ら建築する工事
・船舶や航空機など土地に定着しないものについての工事
・剪定、除草、草刈り、伐採
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説1-2. 許可の種類
建設業許可には「知事許可」と「大臣許可」の2種類があります。
・知事許可:1つの都道府県内で営業する場合
・大臣許可:2つ以上の都道府県に営業所がある場合
また、29種類の建設業の業種ごとに建設業許可を取得する必要があります。
工事の区分 | 業種 |
---|---|
〇2工事 土木一式工事 建築一式工事 | 〇2業種 土木工事業 建築工事業 |
〇27工事 専門工事 | 〇27業種 大工工事業、左官工事業、とび・土木工事業、石工事業、屋根工事業、電気工事業、管工事業、タイル・れんが・ブロック工事業、鋼構造物工事業、鉄筋工事業、舗装工事業、しゅんせつ工事業、板金工事業、ガラス工事業、塗装工事業、防水工事業、内装仕上工事業、機械器具設置工事業、熱絶縁工事業、電気通信工事業、造園工事業、さく井工事業、建具工事業、水道施設工事業、消防施設工事業、清掃施設工事業、解体工事業 |
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説1-3. 許可の更新と変更
建設業許可の有効期限は5年間で、更新手続きが必要です。有効期限内に更新手続きをしないと許可が失効してしまい、建設業許可が必要な工事を新たに請け負うことができなくなります。また、再度建設業許可を取得するには新たに申請が必要になるため、時間と手間がかかってしまいます。許可の更新以外にも、1年ごとに決算変更届の提出、経営管理責任者や専任技術者の変更、資本金の増減、業種の追加などがあった場合には、変更届の提出が求められます。この変更届には、変更後14日以内、30日以内、4か月以内という提出期限があり、この提出期限までに変更届を提出しないと、建設業法第50条により罰則が科されたり、許可の更新手続きを受けることができなくなることもあります。許可の内容に変更が生じた場合は、変更届の提出を忘れないように注意しましょう。
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説2.申請手続きの流れ
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説2-1. 申請に必要な書類
建設業許可の申請には、多くの書類を準備する必要があります。主なものは以下の通りです。
・申請書類:許可申請書、営業所一覧など
・経営業務の管理責任者の証明書類:役員の経歴書、在籍証明など
・専任技術者の証明書類:資格証明書、実務経験証明書など
・財務諸表:直近の決算書類
・誓約書・身分証明書:反社会的勢力でないことの証明、登記されていないことの証明書など
それぞれの書類は取得先が異なっています。また、取得から3ヶ月以内という期限が設けられている書類や発効までに時間がかかる書類があります。書類を取得するには専門的な知識が必要になりますので、自分で取得が難しい場合は、行政書士へ依頼すれば、効率的に書類を収集できるでしょう。
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説2-2. 許可取得の流れ
許可申請は、以下の流れで進めます。
1.事前準備:必要書類を揃え、要件を満たしているか確認
財産的な基礎が安定していることや経営業務の管理責任者と専任技術者がいること、欠格要件に該当しないことなどの要件を満たしている必要があります。
2.申請書作成:申請書や添付書類を作成
スムーズな申請を進めていくため、正確な書類を作成することが重要です。
3.申請提出:都道府県庁(知事許可)または国土交通省(大臣許可)へ提出
提出先により添付書類の取り扱いが異なる場合がありますので事前に確認しておきましょう。
4.審査・補正対応:審査期間中に指摘があれば修正
迅速に許可を取得するために、補正を指示された場合は早めに対応しましょう。
5.許可取得:申請から1〜2ヶ月で許可証が発行
500万円以上の建設工事を受注することができます。
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説3.行政書士の役割とサポート
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説3-1. 行政書士に依頼するメリット
行政書士に依頼することで、以下のメリットがあります。
・書類作成の負担軽減:膨大な申請書類を正確に作成
通常の申請書類だけではなく、提出する自治体により取り扱いが異なる書類にも適切に対応した書類を準備します。
・スムーズな手続き:不備の指摘を最小限に抑え、迅速に許可取得
申請書類の提出予定日から逆算してスケジュールを立てて書類の収集や作成を進めていきます。
・法的リスク回避:申請要件を満たしているか確認
事前に申請要件を満たしているかを確認し、問題がある場合は事前に対処できます。
・アフターサポート:更新手続きや変更届の対応
5年に1回の許可更新手続きや毎年の決算変更届の提出、その他許可内容に関する変更など、許可取得後の手続きをスムーズに対応できます。
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説3-2. よくあるトラブルと対応策
建設業許可の申請では、以下のようなトラブルが発生しやすいです。
行政書士はこれらのトラブルを未然に防ぐ役割を果たします。
トラブル内容 | 対応策 |
---|---|
経営管理責任者の実績不足 | 過去の経歴証明を補強する |
専任技術者の資格不足 | 実務経験証明を用意する |
財務要件が満たせない | 資本増強や経営改善を提案する |
書類の不備で審査遅延 | 事前チェックを徹底する |
建設業許可の実務ガイド:行政書士が解説まとめ
建設業許可の取得は、事業の成長にとって重要なステップです。しかし、申請には多くの要件や書類が求められるため、専門家のサポートを受けることが望ましいです。
行政書士は、適切なアドバイスや書類作成を通じて、建設業者のスムーズな許可取得を支援します。許可の取得・維持をスムーズに進めるためにも、専門家の力を活用しましょう。
行政書士に相談することで、確実かつ迅速な許可取得が可能になります。建設業許可に関するお悩みがある方は、ぜひ専門家にご相談ください。
サービス紹介
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建設業許可に関連する各種申請代行
建設業許可申請 新規取得代行
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このコラムを書いた人
関西建設業許可申請代行センター代表行政書士 鳳山 幸治

経歴
- 弁護士事務所に5年間、司法書士事務所に10年間、補助者として従事。
資格
- 行政書士
- 宅地建物取引士
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
メッセージ
当建設業許可申請代行では「皆様一人一人に寄り添った建設業許可申請代行」をモットーにしております。
建設業許可に関するお悩みを解決して、建設業許可をスムーズに取得することにより、今よりももっと幸せになって頂くお手伝いをするために、日々業務に取り組んでおります。
専門の行政書士として、当事務所ができる事は何か?を日々探究しながら、より良いサポートができるように邁進しております。
また、建設業許可を通じて皆様の事業に少しでも貢献していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
無料相談のご案内
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