建設業を営むには「建設業許可」が必要ですが、許可は一度取得すれば永久に有効というわけではなく、5年ごとに更新が必要です。許可の更新を怠ると、最悪の場合、業務が継続できなくなる可能性があります。
多くの方は行政書士に依頼して更新手続きを行いますが、「自分で更新したい」という方もいるでしょう。本記事では、建設業許可の更新を自分で行う方法について、行政書士の視点から詳しく解説します。
1.建設業許可の更新とは
1-1. 更新が必要な理由

建設業許可は5年ごとに更新が必要であり、期限を過ぎると失効してしまいます。更新手続きは有効期限の30日前までに完了させる必要があります。例えば、許可の有効期限が2025年3月31日の場合、遅くとも2025年3月1日までに更新申請を提出する必要があります。期限を過ぎると許可が失効し、新たに許可を取得するためには再度新規申請が必要となります。また、建設業の許可を更新が必要な理由は以下のとおりです。
・許可がないと500万円以上の工事を請け負えない
・更新しないと許可が失効し、新規取得の手続きが必要になる
・取引先や金融機関の信用維持のため
なお、建設業許可の更新手続きををするには、決算変更届の提出を5年分提出していることが必要になりますので、ご注意ください。
1-2. 更新期限を確認する
許可通知書や建設業許可証明書に記載されている「許可年月日」から5年後が有効期限です。都道府県ごとに多少の違いがありますので、管轄の行政庁へ確認することをおすすめします。そして、更新の時期が来てもお知らせが来るようなことはありませんので、更新時期を把握しておくことは重要です。また、更新手続きの申請は、有効期限満了の30日前までに行わなければなりません。この提出期限である30日前が申請する行政庁の閉庁日にあたる場合、閉庁日の直前が期限になるのか、閉庁日の直後が期限になるのかは行政庁により運用が異なります。そのため、事前に行政庁へ確認しておく方がいいですが、ある程度余裕を持って提出期限にならないように計画的に手続きを進めていくことも円滑に手続きを進めていくために重要なことです。
2.更新の流れと更新に必要な手続き
2-1.更新の流れ
更新手続きは以下の流れで進めます。また、各手続きの詳細はカッコ内の番号にて説明します。
1.必要書類を準備する(2-2・2-3)
2.申請書類を作成する(2-4)
3.手数料を納付する(2-4)
4.申請書を提出する(2-5)
5.審査・通知を待つ(2-5)
6.新しい許可証を受け取る
2-2. 基本的な必要書類
更新に必要な書類は行政庁のウエブサイトからダウンロードできます。
大阪府公式ウェブサイト
兵庫県公式ウエブサイト
京都府公式ウエブサイト
奈良県公式ウエブサイト
和歌山県公式ウエブサイト
以下の書類は共通して必要になります。
・建設業許可申請書(更新用)
・誓約書
・経営業務の管理責任者証明書
・専任技術者証明書
・社会保険加入証明書(必要な場合)
・決算変更届(過去5年分)
・登記さていないことの証明書
・身分証明書
・手数料納付書
事前に提出する行政庁のウエブサイトから更新に必要な書類を確認しておきましょう。また、書類に関して分からないことがあれば、管轄の行政庁へ連絡して確認することも必要です。
2-3. 場合によって必要な書類
・役員が変更になった場合 → 役員変更届
・商号・住所変更 → 変更届
・事業所の所在地変更 → 事務所写真や賃貸契約書の写し
許可の変更事項は、変更内容に応じて提出期限が異なります。
・14日以内
・30日以内
・4ヶ月以内
この中で、決算変更届の提出期限だけが事業年度の終了後4か月になり、それ以外は14日もしくは30日が提出期限となります。また、提出期限までに変更届を提出しなかった場合、建設業法第50条の規定により、「6か月以下の懲役・100万円以下の罰金」の片方又は両方が科される可能性があります。そして、変更届を適切に提出していないことが原因で建設業許可の更新を受けることができなくなってしまいます。手続きを円滑に進めていくために、適切に届出をしましょう。
2-4. 更新申請書の作成方法、手数料と納付方法
申請書類は正本1部、副本1部の計2部を作成します。副本は全てコピーでも構いませんが、添付書類も含めて省略せずに作成してください。また、書類の添付する方法も自治体に異なっており、適切な方法で書類を添付しないと申請に時間がかかってしまいます。円滑に手続きを進めていくため、事前に手引書を確認しておきましょう。
更新申請手続きにかかる法定の手数料は一律5万円です。都道府県知事許可、国交省大臣許可、一般建設業、特定建設業などの違いがあっても更新に必要な法定の手数料の金額は同じです。この手数料は収入証紙や電子納付など、自治体によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。なお、法定の手数料以外に、各種の証明書類等の実費がかかります。具体的には自治体で取得する登記されていないことの証明書や法人の場合の取締役などの役員の証明書類です。
2-5. 申請の提出先と提出後の流れ
・知事許可:各都道府県の建設業許可窓口
・大臣許可:国土交通省地方整備局
原則としてそれぞれの窓口へ直接提出して申請手続きを進めていきますが、提出方法は行政庁により異なっており、窓口申請以外に郵送に対応している行政庁もあります。また、窓口申請の場合、事前に予約が必要なことがありますので、事前に確認の上、余裕を持って手続きを進めてください。
申請後、自治体による審査が行われます。審査期間は約1〜2か月です。
不備があると追加書類の提出が求められるため、記入漏れや添付書類の確認を徹底しましょう。
書類に不備がなければ、更新許可証が交付されます。
3.自分で更新する際の注意点
① 期限を厳守する
更新申請は有効期限の30日前までに完了させる必要があります。ギリギリの提出を避けるため、時間に余裕を持って事前に準備しましょう。
② 決算変更届を忘れない
過去5年間の決算変更届の提出が義務付けられています。これが未提出だと更新申請が受理されないことがあります。また、許可事由に更新が生じた場合も定められた提出期限までに変更届を提出しておくことが義務付けられており、変更届が未提出だと決算変更届と同じように更新申請が受理されなくなることがあります。
③ 不備があると再提出になる
行政書士に依頼しない場合、記載ミスや添付書類の不備が起こりがちです。事前に役所の窓口で書類の確認をしてもらうと安心です。
まとめ
建設業許可の更新を自分で行うことは可能ですが、必要書類が多く、期限を守る必要があるため、慎重に進める必要があります。
○更新を自分で行うメリット
・行政書士報酬(5〜10万円程度)がかからない
・許可申請の流れを理解できる
○デメリット
・書類作成や確認に時間がかかる
・不備があると再提出になり、手間が増える
「少しでもコストを抑えたい」「自分で申請を経験してみたい」という方は、この記事を参考にしてぜひ挑戦してみてください。
ただし、不安な場合や業務が忙しい場合は、行政書士に依頼するのも一つの手です。
この記事が、建設業許可更新の手続きに役立てば幸いです!
サービス紹介
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このコラムを書いた人
関西建設業許可申請代行センター代表行政書士 鳳山 幸治

経歴
- 弁護士事務所に5年間、司法書士事務所に10年間、補助者として従事。
資格
- 行政書士
- 宅地建物取引士
- 2級ファイナンシャル・プランニング技能士
メッセージ
当建設業許可申請代行では「皆様一人一人に寄り添った建設業許可申請代行」をモットーにしております。
建設業許可に関するお悩みを解決して、建設業許可をスムーズに取得することにより、今よりももっと幸せになって頂くお手伝いをするために、日々業務に取り組んでおります。
専門の行政書士として、当事務所ができる事は何か?を日々探究しながら、より良いサポートができるように邁進しております。
また、建設業許可を通じて皆様の事業に少しでも貢献していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
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